はい、のねたです。
突然ですが、皆さんは月に代わってお仕置きをしたことがありますか?
私は残念ながら美少女戦士ではなかったので、常にお仕置きされる側でした。
「月に代わってお仕置き」といえば、とある絵本で父親に「月を取ってこい」と無茶振りする娘がいたのを思い出しました。
いくら可愛い愛娘のお願いとはいえ、そんなの見る人によっては完全に娘からの家庭内パワハラじゃないですか。
世はまさに大コンプラ時代の真っ只中。
このままではその絵本はいずれ淘汰されてしまうかもしれない。
そんなことはさせへんで!!!
きっとその絵本からも娘からのパワハラ案件以上に何か大切な事が学べるはず…!
というわけで今回は、超名作絵本『パパ、お月さまとって!(偕成社)』について解説していきたいと思います。
作/エリック・カール
- 1929年生まれのアメリカの絵本作家。
- ニスを下塗りした薄紙に指や筆で色をつけた色紙を切抜き、貼りつけていくコラージュの手法が特徴。
- 発表した絵本は40作以上にのぼり、代表作である『はらぺこあおむし』は39か国語に翻訳され、出版部数は5500万部を超えている。
訳/もり ひさし
- 1917年神奈川県出身。
- 1968年まで和光小学校教諭を務める。
- 教師生活のかたわら外国の児童文学や絵本の翻訳を行い、エリック・カール『はらぺこあおむし』など著名な作品を多数手がける。
そのお願い、パワハラ級!『 パパ、お月さまとって! 』 のあらすじ
『 パパ、お月さまとって! 』 のあらすじをざっくり箇条書きでまとめました。
- モニカ(娘)「月ちっか!」
- モニカ「月と遊びてぇ!」
- モニカ「パパ、お月さまとって!」
- パパ「!?」
- パパ、クソ長いハシゴを持って山に登る
- パパ、山のてっぺんでハシゴを立てて月に到達する
ちょっと待てい!!
…すみません。あまりの大ボケの連続に私の中のリトルノブが抑えきれず、つい出てきちゃいました。
あらすじから伝わるクレイジー親子っぷり名作っぷりは流石の一言ですね。
この後、パパは月と交渉し、無事月を持ち帰ることに成功します。
恐ろしく仕事のできる人間です、オレでなきゃ見逃しちゃうね。
ツッコミが追い付かない…。
そんなこんなで、パパは小さくなった月をモニカにプレゼント。
モニカはその月の価値を知ってか知らずか、抱きしめたり高く投げたりして遊びます。
すると月は段々と小さくなり続け、ついには消えてしまうのです。
そりゃ月も嫌気が差すわな。
しばらくしてモニカは空に浮かぶ月を見つけます。
月はストレスから解放されるかのごとく、毎晩少しずつ大きく、大きくなるのでした。おしまい。
人生の教訓!『 パパ、お月さまとって! 』で学ぶ大切な事
『 パパ、お月さまとって! 』 で学べる大切な事は3つあります。
順番に解説しますね。
①為せば成るの精神
まず見習うべきはパパの為せば成るの精神です。
- 月まで到達できるハシゴを調達する
- 月に少しでも近づくために山にも登る
- 月に辿り着いて、しっかり月を持ち帰る
常人の我々からしたら、どれもこれも骨の折れる作業に違いありません。
ていうかまず無理です。
しかし、パパは弱音ひとつ吐かず、淡々とそれらをこなすわけです。
為せば成る
為さねば成らぬ何事も
「やる前から諦めてどうする、まずは何事もチャレンジ精神を持って挑みなさい」
モニカに説くパパの名セリフが、胸に響きますね。
まぁそんなセリフは無いんですけどね。
②筋肉は裏切らない
地球から月までの距離は約384,400kmです。
その距離分のハシゴを持ち上げるパパの上半身の筋力は、常人には理解できないレベルです。
また、そのハシゴを担いで山を登るのには、屈強な下半身が必要不可欠。
このことから、パパは相当な筋肉ダルマということがわかります。
やっぱり筋肉は裏切らないね!
愛娘の無茶な願いも叶えられる。
そう、筋肉があればね。
月にハシゴで到達するという行為ひとつで精神力のみならず筋力の大切さも教えてくれるパパ。
その偉大さに気付いたとき、きっとあなたは涙する。
しない。
③常識に囚われぬ心
- 月まで届くハシゴがあるわけない
- そんなハシゴを持って山に登れるわけがない
- 宇宙空間を生身の体で通過して月に辿り着りつくわけがない
- 月と交渉できるわけがない
- 月を持って帰れるわけがない
「そんなわけがない」「できるわけがない」
そういった常識を、この絵本はことごとくブチ壊してくれます。
一見、子ども向けの絵本に思われますが、 『 パパ、お月さまとって! 』は 紛れもなく自己啓発本、あるいはビジネス書だと私は思います。
これほどまでにモチベーションを高めてくれる絵本は、そうそうありません。
常識で塗り固められた大人の頭を、絵本を通してほぐしてくれる。
そんな魅力も詰まった素晴らしい絵本です。
まとめ: 『 パパ、お月さまとって! 』を通して作者が伝えたかった事とは
- 為せば成るの精神
- 筋肉は裏切らない
- 常識に囚われぬ心
『 パパ、お月さまとって! 』で学べる大切な事を通して、愛娘を想うパパの愛が理解できたと思います。
つまるところ、作者がこの絵本で読者に伝えたかった事とはズバリ、
ーNOと言える勇気を持て、日本人ー
ということ。
日本人の相手を思いやる気持ち、ひいては期待に応えようとする精神は素晴らしい。だが時として「NO」と言える勇気も必要だ。たとえそれが、愛する娘のお願いだとしてもね。
きっと作者は本書を通じてそう伝えたかったに違いありません。(だって無茶ぶりにも程があるから)
愛する我が子に「NO」と言える勇気、教えてみませんか?
絵本選びに迷った際は、ぜひ『パパ、お月さまとって! 』をどうぞ。
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